ずっと、ずーっと

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浮いているかしら













アールグレイティを飲みながら、


「私って浮いてるかなぁ」


美音はそういうと不安そうな顔をした。


「んー、正直に言うとそういうことはあるかも」


美音は経済学部の3年生で、経済学科で少ない女子のなかでも飛び切りの少し前、というくらいの美人だった。


「男子が多いしさ、女子は地味系がほとんどだからね。だから浮いてるというより、目だっているという感じかな」


美音は納得できないという顔をした。


ピンクのリップクリームが塗られた形の良い唇が少し尖った。


「悠美だって季代だって可愛いじゃない。私なんかたいしたことないのに」


美音としては珍しいくらい自信無さげな表情をしている。


「それって、本当に思ってる?」


「思ってるよ」


「本当かなぁ」


ちょっと意地悪な言葉を続けた。


「高校でもぜんぜんもてなかったし」


嘘だ、そんなことはないでしょ。そういえば、高校時代に付き合った人がいると聞いたことを思い出した。


「彼氏はいたんでしょ」


少し強い口調で突っ込んだ。


「それはそうだけど」


「もてない女が彼氏なんか作れないよ」


呆れたような表情で言ってやった。


「わたしからアプローチしただけだよ。それも2回振られているんだよ」


「どうして別れたの」


「むこうは九州の大学に行ったからね」


「医学部なんでしょ。付き合ってれば良かったのに」


「将来医者になるからって、好きでなくなった人と打算で付き合えないもん」


「私だったらキープしとくけどなぁ」


「そんなこと私にはできないよ」


目の前で自分のこと「浮いてるかも」と言った友人が「男をキープする」と言ったことが意外だった。






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Category: ショートショート
Published on: Wed,  08 2017 08:51
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