ずっと、ずーっと

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行かない!
















「今から行こうよ」


学食でランチを食べ終わってほっとしているときだった。


今日は予定はないけど・・・


「前から行こうって言ってたじゃない」


「今は乗る気じゃないけどなー」


李歌は杏果にちょっと苦い顔で答えた。


杏里はぽつって顔をして李歌を見つめていた。


実は、前から川越に行こうと約束していたのだ。


電車に乗って20分くらいで着けるので気軽に行けそうなのだけれど、大学の授業が終わってから行こうと思ってもなかなかその気にならない。


「行こうとしたとき行けないともう行く機会ないよ」


確かにそうだ。


改めて、休みの日に行こうなんて絶対ありえない。


でもなー、ってどこかに李歌のうしろ髪を引く奴がいる。


そう考えると、実はあまり行きたくないんじゃないかと思ってしまう。


「杏果が行かないなら、他の子と行っちゃうよ」


だんだん、怒った顔になってきた。


「付き合いだけで行くのもねえ」


「もうこうなったらお願いよ、頼むから今日行こ。明日から新しいバイトが始まるし」


耐えられる範囲じゃなくなって来そうだった。


「ごめん、もうちょっと待って。気持ちを整える」


「そんな大げさなもんじゃないよ」


「うー・・・・」


「だからさ、行動だよ、行動」


その言葉に杏果のほうが切れそうになった。


「そこまで言われるとね」


「決めた、ね、行こ」


1秒もかからないうちに。


「だから行かないって言ってるじゃない」


「あんたそんなこと一言も言ってないじゃない」


「ごめん、そうだった」


「だから行こうって」


そこまで言われるとなー。


「よし、行こう」


杏里はうれしそうに席を立った。









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Category: ショートショート
Published on: Tue,  26 2017 10:10
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