ずっと、ずーっと

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おかげさまで








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「おかげさまで」



取引先の課長からお礼の電話があった。

岡島が都合をつけてやったシステムエンジニアがシステムを回復させたからだ。

「いいえ、いつもお世話になっていますから」

「今度、また飲みに行きましょう」

「ありがとうございます。先日の件もよろしくお願いします」

「もちろん、分かってます」



岡島にとって仕事はいつも人とのつながりがすべてだと思っている。

どんなにテクノロジーが進化しても、人の営みは人との関係が重要なのは変わりない。


「コミュニケーション能力がないと仕事が上手くいかない」

当たり前のことが最近やたらと声高に語られることが、

岡島にしたら、「何をいまさら」という感じだ。


新入社員の目に輝きがなくなったのは、最近のことではない。

表面は、はきはきしていても、裏の顔は人を拒否している。

人との関係を根本的に拒否してる。

自分は、正しい、やれる、人から干渉されたくない、そして、根拠のない自信がある。

そんな彼等と付き合うのは正直骨が折れる。


「将来どうなっていくんだろう」

漠然とした不安がよぎる。


岡島は自分の仕事のじゃまにならなければ、部下がどんな人間であっても関係ないかもしれないとも思っていた。

ただ、同じ会社にいて、同じ仕事をしている以上、人間的な付き合いもある。それがいまやりにくい時代になっているのか。


だが、それとは別に、「人との関係が弱い人間が多い以上、人との付き合いが好きな俺の仕事での出番が減ることはないだろう」

とも考えている。









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Category: ショートショート
Published on: Wed,  07 2018 05:00
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