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ずっと、ずーっと

あの夏のお姉さん  




















もう30年以上も前のことなのにまだ はっきりと覚えている。

その年は凄く暑い夏だった。

その頃、妹の同級生の家と家族ぐるみの付き合いをしていた。

その家の父親が野外活動が好きで、キャンプやバーベキューへよく行っていた。

私たちの家族もその夏にバーベキューへ誘われた。

その家は妹と同じ歳の女の子と二歳年上のお姉さんがいた。うちは妹と兄の自分、同じ4人家族だった。

それぞれの家族でクルマに乗っていったのだが、妹が同じ歳の女の子と同じクルマに乗りたいというので、その家のクルマに乗り、その家のお姉さんがうちのクルマに同乗した。

後ろの席でお姉さんと私が座り、両親が前に座った。

お姉さんとはそれまでにも、何回か会ってはいたが、年も彼女のほうが一歳年上ということもあり,私は女の子を意識し始めた時期でもあった。

となりに座っていても、一歳年上の彼女の柔らかい体つきが空気越しに感じられて、興味があるのだが、それをどうしても隠さなければならないというジレンマに襲われていた。

何となく気まずい雰囲気だった。

それは、お姉さんは中学一年生で、私は小学校六年生ということもあり、お互いに異性を強烈に意識し始めているころだったからかも知れない。

私はもっていきどころのない意識の隠す手段として寝たふりをするしかなかった。

親たちがバーベキューの用意をしている間、お姉さんは親の手伝い、妹たちは川に遊びに行き、「川が危ないからあんたは見張り

をしなさい」と言われ、妹たちの後をついていった。

妹たちは、川の水できゃあきゃあしながら遊んでいた。

私は手持ち無沙汰で川原の石に座って妹たちが遊んでいるのを見ていた。

「つまんねー」ぶつぶつ独り言を言いながらボーとしていたら、

「お米や野菜を洗うの手伝って」と背後から声をかけられた。

お姉さんだった。

じつは、お姉さんは可愛かった。可愛いと一口で表現するにはもったいないような美人だった。

だから余計に意識していたと思う。

お姉さんは、きゅうりやトマトが入っているかごを持ち、片手にお米の入ったボウルを持っていた。

お姉さんはわたしにかごを渡して、野菜を洗ってと言った。

私たちは並んで川の水でお姉さんは米を洗い、私は野菜を洗った。

「ガールフレンドはいるの?」いきなりお姉さんが聞いてきた。

「いないっすよ」

ふふ、可愛い。とお姉さんが言ったので私は赤くなった。

それ以上たいしたことはしゃべってない。

ただそれだけの思い出。それを今でも鮮明に覚えている。

その後、なぜか分からないがその家との交流は途絶えた。

妹たちが喧嘩したのか、親同士で何かあったのか分からない。

それ以降のお姉さんのことは知らない。

私は私立の中学に行ったのでお姉さんとは違う学校になったので分からない。

妹に聞くこともなかった。

あれは初恋だったのか、そうでもなかったのか、今でも分からない。

現実には高校生のときには初めての彼女も出来たので、お姉さんのことはしばらく忘れていた。

もうすっかり大人になって、いや、おじさんになって今更のようにお姉さんのことが思い出される。

人間は不思議な生き物だ。












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