ずっと、ずーっと

お大事にしてください





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「お大事にしてください」


診察室を出ると必ず看護師が言う。


「いまのところ異常なところはありませんね。また痛くなったらちょっと詳しい検査をしましょう」


と、医師から言われたのに、どうして、


「お大事に」


ということになるのか。



下手をすると、人間ドックの検査結果を聞きにいっただけでも、



「お大事に」



と言われたことがある。



何でもかんでも言えば良いというもんじゃない。



だいいち、診察室を出るとき、待合室で順番を待っている人たちから、



「この人どこがわるいんだろ」



「もしかしたらがんじゃないのこの人がんじゃないの」



なんて思われるじゃないか。思いすぎだと思われるかも知れないけど、そう思う。



だから、病院が嫌いという人が減らない理由のひとつになるんじゃないかと思ってしまう。



「おれは気になるところがあるから来たけど、結局健康体だったんだ。お前たち病人とは違うんだ」



と、心のなかで言うんだけど、



「お大事にしてください」



と言われると、



「あなたは病人です」



と言われている気がする。



何も言わないでくれればよいのにと彼は思った。



いっそうのこと「何でもなくて良かったですね。あなたは健康体です」とでも言ってくれたら胸を張って診察室を出ていけるのに。






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